宮城です。
仕事柄、経営者と呼ばれる人達と過ごす時間が多いためか、世間話はもちろんのことですが、お互いのビジネスについての情報交換等も頻繁に行ないます。
その為か、多くの経営者達の悩みを聞くこともとても多いのですが、やはり経営者にとって一番大きな悩みは【集客】についての悩みです。※それか人間関係です。笑
そして僕自身も、実際に二社の法人の現役の経営者であるので、この気持ちは凄く分かるのですが。
やはり、いかにして、自分の所に「お客さんを集めるのか?」という事は、いつの時代も、そしてどんな業界でも悩む事なのです。
ですが、実は集客というのはビジネスにおいて重要な要素であるのは確かなのですが。
「これが一番大切か?」と言えば、そうではないという事を知らない人が結構いらっしゃるからです。
例えば…
どんなに集客をしてお客さんを集めた所で、粗利の低いビジネスを選んでいたり、社員やスタッフを多く抱えることでしか動かせない様な組織形態だったりすると、お客さんを集めた所で会社は儲からない
という事が実際には起こりますし。
僕が日頃からメルマガとか、ブログ等で話しているように、「誰と一緒にビジネスをするのか?」という部分や「どんなお客さんを相手にするのか?」という事も凄く重要になってくるからです。
どんなに儲かっても、自分の嫌な人に囲まれるぐらいなら、普通の生活が出来る様な収入で良いので、自分のペースで好きな人たちに囲まれながら毎日を生きていきたいですからね。
要するに、一番重要なのは「どんなビジネスをするか?」というコンセプトの部分なのですが、そうは言っても直ぐに腑に落ちる事が無いのも分かります。
という事で、本日はマーケティングの専門家という立場から「集客」についての仕方や考え方について、あなたにシェアしたいと思いますので、ぜひ実践されて下さい。
多くの人が勘違いしている集客の定義
あなたは「集客」といったら、どういう事を想像するでしょうか?
そして集客が成功するという事はどういった状況を想像しますか?
多分、あなたは以下の様な事を想像しているかも知れません…。
集客が成功したら、自分のお店にたくさんの人が訪れて、商品やサービスが飛ぶ様に売れまくって大儲けする。
どうでしょうか?この様な事を想像したのでは無いでしょうか?
もしも、あなたがそうは思っていなかったしても多くの人達は、集客が成功したら自分のお店にたくさんの人が訪れて、商品やサービスが売れまくって儲かるという様なことを想像します。
ですが、実は、これって間違った解釈だという事を知っていましたか?
もちろん、飲食店の様に「お店に来店する=メニューを注文する」という様なパターンであれば、この感覚もあながち間違ってはいないはずですが。
他の多くのビジネスでは、お店に来店したからといって。
すぐにお客さんが商品やサービスを購入するか?
といえば、そうではないのです。
実は、ここを勘違いしている事で多くの人達は、集客が成功したら売上が上がると思っているのですが、実際の所は。
集客が成功して、且つ商品やサービスを購入してもらって初めて売上があがる!
という図式になり、これをまずは理解しておかなくてはいけません。
先程の飲食店の場合でもそうですが、結局の所、来店した所でお客さんが注文しなければ売上は上がらないのです。
ですから、「集客」を成功させたいと願うのであれば、ただ人をたくさん集めることではなく。
「あなたの商品やサービスを購入したいと思っている人」、即ち興味がある人をいかにして自分の所に集めることが出来るのか?
そこに注目して、集客することを考えなくてはならないのです。
ですから本気で集客について考えるのなら…
いかにして「買う気のある人を集めるのか?」、「買う気の無い人に欲しいと思わせるのか?」
この2つについて考えなくてはならないのです。
そして、今回の記事ではこれを更にお話ししたいという事です。
買う気のある人を集客する為の方法
例えば、あなたがダイエット関連の商品やサービスを扱っている会社を経営しているとしましょう。
すると、あなたが集客をしなくてはいけない人達は、単純な例でいうと「ダイエットがしたい人」である必要がありますよね?
ですから、あなたはその「ダイエットがしたい人」に対して、自分達の商品やサービスの事をアピールしなくてはならないわけです。
ですが、ここで問題が生じます。それは何かというと…
あなたの会社以外にも、「ダイエットがしたいと思っている人達」に対して商品やサービスを提供しているライバル会社が存在しているという現実です。
ですから、あなたにとって将来のお客さんになり得る人(※次からは見込み客と言いますね?)は、自分にとってどの商品やサービスが良いのかというのを検討している状態であるということを知らないといけないのです。
そういうわけですから、あなたは見込み客に対して、同じ様な商品やサービスを提供するライバルや競合たちではなく、自分達の商品やサービスを選んでもらう努力をする必要があるのです。
その為に、重要な事は1つです。それは…
見込み客が「今すぐ欲しい」と思える様な条件を掲示すること。
この「見込み客が今すぐ欲しいと思える様な条件を掲示する」ということに関してですが。
この様に、顧客に取引条件を出す事を「オファーを出す」と言い、競合やライバルが引きめく中で、顧客に自分達の商品やサービスの方に振り向いてもらう為には、他よりも魅力的なオファーを出す事が重要となってくるのです。
例えば、ダイエットサプリを販売している2つの会社があるとします。
A「今なら50%オフ」というオファー(条件)を掲示している会社
B「今なら50%オフで、もしも1ヶ月試して効果が無かった全額返金致します」というオファーを掲示している会社
あなたは、どちらの会社の商品を手に取ろうと考えますか?間違いなくBの会社ではないでしょうか?
この様な形で、他の競合やライバルよりも魅力的なオファーを出すことで、「買う気のある人達があなたの所に多く集まるのです」
集客の上手い会社なんかは、この段階では商品やサービスを販売する事すらしません。
よく通販サイトなどである様な「まずは無料サンプルをお試し下さい」という感じで、実際に自分達の商品やサービスを試してもらった後で、商品購入の案内(申込書)を送ったりします。
この方法だと、見込み客にもリスクはありませんので、より自社の商品やサービスに興味がある人を集客する事が出来ます。
ですが、ここで注意が必要です。
いくら見込み客を集めたいからといって、実際に販売したい商品と全く関係の無い物をエサに集客をしてはいけません。
例えば、ダイエットサプリを本来販売したいのにも関わらず、「今なら松坂牛をプレゼント」という感じで実際の商品に繋がらないオファーを出した所で、「松坂牛目当ての客」は集まりますが、【ダイエットがしたい人】が集まる事はないからです。
実際に、僕が過去にコンサルをした時の事例ですが、建売りの新築物件を販売したい不動産会社が、「家を購入する気がありそうな人を集める為に、モデルルーム見学の集客」を企画したのですが。その時のオファーが「家族で行けるディズニーランドのチケット」だったのです。
パッと見「家族連れ=新築物件」な感じがするのですが、結果的に「ディズニーランドのチケットが欲しい、買う気の無い客」が多く集まってしまい成約率はかなり低かったそうです。
こういうケースの場合は「シングルマザーでも帰る物件の載ったパンフレット」といった様に、実際に後で販売する商品(家)を買う事と連想出来る様なオファーの方が良かったりします。(※あくまでも例です)
もちろん、モデルルーム見学者だけに「ローン金利何%お得」などのような、購入にあたり顧客がリスクだと感じる事を取り除いてあげるオファーだったり「購入後◯年の◯◯保証」という様なオファーを掲示する事で、より買う気のある人だけを確実に集めた方が成約にも大きく繋がるので得策です。
冒頭にも話をしましたが、
集客が成功して、「かつ商品やサービスを購入してもらって初めて」売上があがる!
これを実現する為に集客をするわけですから、単に商品やサービスに人を集めるだけ行為は「集客」では無いのです。
もしも、あなたの周りの広告代理店などが、このような事を知らないで集客を試みようとしていたら注意して下さい。
なぜなら、ただ、経費だけかかって全く売上に繋がらないという悲惨な想いをするからです。
ま、とはいっても相手方がいう台詞は「いやいや、人は集めたでしょ?」の一点張りでしょうがね。。。
そうならない為にも、あなた自身がきちんと「集客」という概念について正しい知識を持っている事が重要なのです。
買う気の無い人に欲しいと思わせる為の方法
先程の「買う気のある人を集める方法」よりも、ここはハードルが一気に高くなります。
変な話ですが、買う気のある人を集める為には、強烈なオファーを書いたチラシなどの販促物をオリコミやポスティングなどで一気に配布し、費用対効果が合う様な金額設定に、購入からの再購入等の設計をするなどしたら、そんなに難しくはないからです。
ですが、ほとんどの業界の場合、広告費やマーケティングに対する活動というのは、この様な「既に買う気のある見込み客」にむけて行なわれますから、きっとあなたのライバルも、あなたと同じ様に「顧客をいかに獲得出来るのか?」という事に躍起になるはずです。
そうなると、双方共に「自分達の商品やサービスに振り向いて欲しい」と思うわけですから、当然オファーも互いにエスカレートしますし、広告費もどんどん高騰してきますので、正直小さな会社だと体力が持ちません。
ですから、そういう「今すぐ商品が欲しい」と思っている人達を集客するのではなく、「未だ、自分には関係の無いと思っている人達を集めて、こちら側の主張に関心を持たせて販売する」という様な、マーケティング活動の真髄が求められて来るのです。
その為にすべき重要な事は「顧客を教育する」ということです。
ここで言う教育というのは「何かを教え込む」とかそういう意味で使うことではありません。
あなたの商品やサービスに対して、自分達には関係の無いと思っている人達が必ず持っている問題や悩みに対して。
「実は、その問題や悩みを解決する手段を私達が持っているんです!」という事を、相手に伝え、それを理解してもらえる様な行動をする事で、
こちらに対して信頼してもらう活動をするという事です。
要するに、先にいい事をしましょう!という意味です。笑
ここで活用するのが、インターネットなどを活用したメディアです。ブログやSNSなどで情報を配信し、あなたが発信する情報に対して「お?役立つ内容だな?」という風に思ってもらう様に努力をするという事です。
例えば、ダイエット関連のビジネスをされている人達を例にしますが、この場合、商品やサービスのアピールばかりをするのではなく。
ダイエットの成功に繋がる様な食事のノウハウや、情報等を提供する事で、「こちらが発信する情報に信頼をしてもらう」という事をするのです。
その記事の中で、「今回紹介した食事の成分を簡単に取れるサプリがあるのですが…?」と、自社の商品に繋げたりするのも良いかも知れませんし、多くの企業が、まずはユーザーの問題を解決する情報を提供し、その後に自社の商品を紹介するという方法を取っています。
この方法だと、別に商品やサービスが欲しくない人でも嫌な気分はしません。なぜなら、情報だけを入手して商品やサービスを購入しなくて良いからです。
別に商品やサービスを購入してくれなかったとしても、相手に「この情報を価値と感じてもらったのなら大成功」です。
記事を読んだ後、どこかのタイミングでダイエット関連の商品の事を欲しいと思ったのなら、真っ先に購入を考えるのは、あなたの商品の事だからです。
こういうマーケティングの仕方が上手いのは、やはりAppleです。「スマートフォン欲しいなぁ…。」と思った人の大半はきっと「iPhone」の事を思い浮かべるはずですからね?
Appleストアで、店員さんがあなたに「この商品どうですか?」なんて売り込みをする事はほとんどありません。多くの場合「既に購入を決意して来店する」か「ちょっと、どんな新作があるか覗いてみよう?」の2パターンのはずです。
Appleストアで商品の購入を決意する人の多くは、すでに来店前から、様々な情報が頭に入った状態で来店しています。
- 友人の持っているiPhoneを見て刺激を受けたり
- テレビなどで有名人が持っているのを見て、刺激を受けたり
- ネットでスティーブン・ジョブズの考え方を知って共感したり
とにかくありとあらゆる角度から情報という名の刺激を受けて、購入に至っているのです。
これは、何もAppleだけがそうしているわけではありません。実に多くのマーケティングの上手いと言われている企業が…
未だ関係の無い人達が「最終的に自社の商品やサービスを選んでもらう為」に、あの手この手で情報を発信し、信頼関係を獲得しようとしているのです。
そして、この様な形で相手からの信頼を得る為の情報を発信する為には2つのポイントがありますのでご紹介します。
(1)相手に「この道の専門家」だと思ってもらう工夫をする
せっかく情報を発信しているわけですから、相手にこの情報は「価値があるもの」と思って頂かなくては元も子もないですし、行動を起こしてくれるわけもありません。
この為に必要なのは、「この情報を発信している人(すなわちあなた)」が、この道の専門家なんだというふうに思ってもらわなければなりません。
その為に意識するのは、あなたの情報を求める人が「どんな人か?」をまずは想定し、その人の為だけの情報として発信する事が重要です。他にも問題の啓発、業界の常識・非常識という形で発信して行くと、より相手からの信頼を獲得出来ることでしょう。
(2)相手の価値観を転換する
あなたには、こんな経験が無いですか?自分が今まで常識だと思っていた事に対して、別の人から違った価値観を提供されて、思わず「すげぇ〜この人!」と思った事。
人には、価値観というのが存在します。例えばダイエットに関する価値観(キツイとか、サプリが怪しいとか)、スポーツ対する価値観(努力、キツイ、根性、才能)といった感じです。
そういう価値観や先入観を持っているのが普通で、その先入観を覆す根拠を情報として取り入れたとき、人はその情報を発信した人に対して、凄く敬意を評します。
ですから、「相手がどんな価値観を持っているか?を想定した上」で、その価値観をあなたも持っている専門知識で「新しい価値観」として提供する事が重要です。
もちろん、ウソを教えてはいけません。ですが、間違った常識を持った人に【正しい常識】を教えてあげるという事は、相手にも凄く感謝されますので良い事づくしのはずです。
ぜひ、これを意識した情報を日頃から発信していくことで、未来のお客様を自分達の近くに集めておきましょう。
集客時に商品を販売してはいけない理由!
いかがでしょうか?ここまでの流れを読んで察しの良い方は気がついたはずですが「実は集客とセールスというのは分けて考えた方が良い」という事です。
自社の売上を上げる為には、商品を売る必要がありますね?
ですが、売る為にやる事とは本来セールスという概念であり、お客さんを集めることはマーケティングという概念の中にあるものなのです。
「優れたマーケティングはセールスを不要にする」とは有名なドラッカーの言った言葉です。
要するに、相手にいかに自社の商品やサービスを「売るか?」ではなく、いかに相手に自社の商品やサービスを「欲しい!」と思ってもらえるか?が重要で、その「欲しいと思わせる行動、欲しいと思っている人を集めることを集客」と考えて行動するのが良いのです。
ですが、どうでしょう?多くの場合、そういう事を意識してはいません。
例えば、チラシの場合で例えると、成果の出ないチラシの特徴は、見ず知らずに人達にいきなり商品を売ろうとするチラシになっているはずです。
商品の紹介をして、値段だけを掲示して、買うかは買わないかは相手の判断任せです。
その様なチラシには、この商品が「どんな人のメリットになるのか?」、「どんな使い方なんのか?」、「使ったらどういう未来が待っているのか?」なんて言うのは全く記載されていません。
記載されていませんから、見込み客は、目の前に書いてある事が「自分にとって関係があるものかどうか分かりません」分かりませんから、当然ゴミ箱いきです。
ですが、実はそれでもやらないよりはマシです。なぜなら「今すぐ欲しいと思っている人の手にこのチラシが届くかも知れないからです」
しかし、それだと一体いくらの費用をかけてチラシを撒けば良いのでしょう?
費用対効果もなかなか合わないわけですから、会社の規模によっては「集客をすればするほど会社が危機になる」という現象も起こりえます。
ですから、それを防ぐ為に「自社の商品やサービスに興味がある人を集客して、その後でセールスを行なう」という仕組みを作る必要があるのです。
興味のある人を「集客」→その人達だけに「販売」
この様に、「集客」とセールス(販売)を分けて考えると、物凄く楽になります。(※気分的にも成果においても…です)
なぜなら、商品を購入してもらう事から逆算した場合、すでにこちらの商品やサービスに興味がある人達に対しては、押し売りなんかする必要が無いからです。
きちんと、その商品やサービスが「どんな特徴で、どんなメリットがあり、どのような未来を得られるか?」を説明するだけで良いですし、こちらに関心があれば、相手も興味を持って聞いてくれるからです。
そのような場面を多く作る事が出来れば「集客」は成功です。
あとは、相手の「買うタイミング」に合わせてしっかりと商品の案内が出来るかどうかに注視するだけです。
「集客」という言葉の定義を考えるだけで、実際にやる事が変わってきます。
あなたの商品を売る為に集客するのではなく、あなたの商品に興味があり、欲しいと思って頂く為の集客術をマスターし、ぜひあなたのビジネスに安定をもたらして頂ければと思います。
宮城哲郎
PS あなたの商品に興味がある人を集めたら、次はこの「セールス戦略」の記事をご覧になって、確実に成約を成功させて下さい。