スポーツコンサルタント/スポーツ起業家®️
宮城哲郎
経営者というのは総じて「優れたアイディア」の持ち主だと思います。日々、ビジネスのアイディアに溢れ、次から次へとやりたい事が増えてくる感覚なんて日常茶飯事でしょう。
ゼロから何かを立ち上げるぐらいのメンタリティだからこそ、「自分には必ず出来る!」という強い信念を持っている人も多いはずです。
そして、実際にこれらの起業家達はこの強いメンタリティを武器にどんどん事業を拡大し育てあげていくのですが、反対に良い事業のアイディアや商品のアイディアが湧くのだが、実現しない場合の人も中にはたくさんいる。
実は、この「アイディアが浮かぶのだけど実現しない理由」には大きく分けて2つの理由があるのをご存知だったでしょうか?
今回の話はあなた自身が現在上手くいっていても、そうでなかったとしても、きっとお役に立てる事でしょう。
それほどに僕達「経営者」という存在にとっての「天敵」について今回の記事ではシェアしたいと思います。
これから話す事は、あなたには思い当たる節はどれだけあるでしょうか?
ぜひ最後まで読み進めて下さい。
一つの目の理由 完璧主義
この完璧主義の罠には多くの人がハマりがちです。もちろん僕自身も。
これは「何かを始める前に完璧にした状態でスタートしたい」という欲求でもあるのですが。
そもそも「完璧」という物自体は存在せず、このブログを毎回読んでいるあなたなら既に承知の事だと思うのですが、完璧かどうかを決めるのは「顧客」なのです。
終わりのない完璧を求めて、その時々で思いつく問題を全て片付けようとしているうちに、ダラダラと何も進行せず途中でアイディアそのものが消滅してしまうという事も小さな会社の経営者の「あるある」です。
完璧主義はという言葉自体、経営者にとって凄く聞こえの良い言葉なのですが、新しい事を始めようとする際、また新商品を開発する時に考えてはいけない概念です。
実際に僕自身も…
- 「あ、このアイディアはイケル!」とか。
- 「今回で学んだセミナーのネタはうちでもやれる」
といった様に。
「アイディアが思いつく=成功」の様な気持ちいい感覚に陥る事も多々あるのですが、そう思ったヤツで実際に形になったのは少ないです。笑
この理由は至ってシンプルです。それは…
良いアイディアを完璧な状態で進めたいと思うあまり「何一つ行動に移せていない」からです。
「もう少し、この部分は修正したら…」といった感じで探せばキリがない事でしょうが、これではいけません。
本来なら、ある程度不完全な状態でもまずは始めてみて、市場に出しながら改善して顧客にとっての完璧な姿に徐々にしていくのが普通です。
この件についてはApple社が良い例でしょう。彼等の出すiPhoneやMacなんかは、頻繁にアップデートされていきます。本当に完璧な物をリリースしたのらアップデートという事自体が起こらないはずです。
これはMicrosoftも同様です。Wordやエクセルもどんどん進化していきますからね。
彼等の共通点は「まずは実行に移す事」です。そしてこれは彼等の様な大企業だけではなく、僕等の様な小さな会社だからこそ実践に移すべき行動指針でもあります。
僕にとってのメンター(先生)でもある、何百億円企業を何社も作り上げたスーパー起業家マイケル・マスターソン氏はこう言ってます。
とにかく「構え、撃て、狙え」だと。
「やる事を決めたらとにかく撃て!狙うのはその後、行動しながら徐々に狙いを定めていく。」
それが今の時代を勝ち抜く為の経営戦略だという事です。それほどに物凄いスピードで市場が変わっているのです。
2つ目の理由 先送りの心理
あなたは、友人の誰かが何かを始めようと語る際にこういう話をよく耳にしませんか?
- 「あとこれだけ終わらせたら、すぐに取りかかろう」
- 「もう少し勉強してから人前で発表しよう」
- 「子供の◯◯◯が…」
- 「家族の◯△□が…」
といった言葉です。これが先送りの心理なのですが、この罠は相当危険です。
なぜなら、例えどんなに目の前に大きなチャンスがあったとしても、思わず先延ばしにしてしまうのですから…。
しかも人間の潜在意識に刷り込まれた部分がそうさせるから更にタチが悪い。
これらの原因が起こるのは2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが実証した「現状維持バイアスと現在志向バイアス」という行動心理から来ています。
※もしも、コンサルティングやコーチングをされている方なら覚えておいて下さい!使えます。
「現状維持バイアス」とは?
これは「人は自分が得をする可能性が損をする可能性を上回っても、変化よりも現状維持を選択する傾向があり、必ずしも効用を最大化させるわけではない」という事を指しています。
例えばパソコンを初期設定のまま使う人が多くいるとか、転職に踏み切れない心理も同じです。
また、あなたがお金について考える時を例に取った場合に、同じ金額でも失った時と得た時を比べると、失った時の方が金額自体の価値が大きく感じられるのもそれが原因です。
この現状維持バイアスに気づいていないとどんな事になるのか?それは…
その時々の場面での効果を最大化する行動が薄れ、あなた自身が的確な判断が出来なくなってしまうのです。
これって大・小・個人と関係無くビジネスをする存在としては、かなり強く意識しないといけない部分でもありますよね。
「現在志向バイアス」とは?
他にも、長期的な目標達成よりも、現在手に入る利益に人は気持ちが惹かれるとも言われており、これは「現在志向バイアス」と呼ばれています。
未来への投資が中々出来ず、目の前の誘惑に負けたり、自己投資がなかなか出来ないのはこれが原因です。
たった、1本のビールを我慢すれば出来る事なんてたくさんあるのですが、「たった一本ぐらい」と言って毎日購入してしまうんですよね。(※大体は数本購入するのですが…笑)
この様に、先送りの心理はあなたの成長を大きく阻みます。
なぜなら人は行動しなければ成果が出ないからです。ですが、人間の本来持つ心理状態がそれを阻んでいる事を知らずにいると、あなた自身が無意識のうちにその罠にハマり、いつまでも変わらないという状態に陥ってしまうのです。
あなたはどうでしょう?
この2つの心理について深く考えた事はありますか?
経営者は自己意識を強く持つ事
この様に、どんなに優れたアイディアを思いついた所でそれが形にならないのは、人間の持つ行動心理に問題が有る事を今回ご紹介しました。
ここで一番言いたいのは何か?というと。
「それ程に、経営者というのは自分で自分自身を律するという事を意識的に行なう必要がある」という事です。特に自分の理想の生活を実現したいなら尚更です。
自分1人でやるのは困難ですから、同じ志しを持つ仲間や、意識の高い人達のグループに自らを置く事も必要になります。自分で高い金額を投資して「行動せざる得ない状況」を自分で作る事もそうでしょう。
それ程に人の意志というのは弱いのです。そしてそれが当たり前です。
ですから、新しい事、新しいチャレンジが「普通」になるぐらいまでに自分を意識的に律する必要があるのです。眠たくなる様な自己啓発をしたって変わりません。脳がそういってますから。
ですから逆に、その特徴を踏まえて自分の環境を作り変える必要があるのです。これなら意志の力なんて関係ないですから。
今回の2つの事は、僕自身も常に言い聞かせている問題であり、そういう事が起きない様な環境に身を置く事を常に意識している事です。
特に小さな会社の経営者というのは、大きな会社の経営者よりもやる事は多いですからね。
色々な場面で、それでも愚直に自分の成功の階段を登っていく為にも、今回話した内容はぜひ覚えておいて下さい。
それでは。